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September 27, 2008

「百夜行」を読みました。

Byakuyakou_3

東野圭吾の「百夜行」を読んだ。
きっかけは今度映画化されるガリレオの原作「容疑者Xの献身」がなかなかに面白かったからなのだけど。

すでにネットでも語りつくされた感のある本作なのだけど、印象深い作品だったので軽くレビュらせてもらう。
ちなみにドラマは見てなかったのでさほど先入観はない状態で読んだ。
以下ネタバレありなんで・・・・・

スタートは廃ビルでの殺人事件から始まる。
結局お宮入りした事件なんだけど被害者の息子である桐山亮二と容疑者の娘である唐沢(西本)雪穂が主人公。
彼等の小学生から成人するまでの約20年間が描かれている。

基本的にはその時代時代の二人の姿と(おそらく二人にまつわる)事件が描かれる。
事件については二人が関与しているであろうことは伺えるが、実際に二人がどのように手を下したかは触れられない。
それゆえにサスペンスファンからすれば組み立てがあまりにも安易という意見も聞かれるようだ。
確かに、二人以外に協力者など望めない状態ででの死体の処理や情報のつかみ方金の流れなど詳細がほとんどわからない。
読者の想像に任されているという言い方しかできない。

また、彼らの心情が語られることもほとんどない。
それぞれの
「俺の人生は 白夜の中を歩いてるようなものやからな」
「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど…その光によって、夜を昼と思って生きることができた。」
というところだけが唯一といってもいっていい心情が語られる場面だ。
だからこそこの台詞は鮮烈な印象を残す。

ラストシーンで亮二が命を絶った後、雪穂がエレベーター(エスカレータ?)を昇っていくところで作品は終わってしまう。
この後どうなったのだろう?

ネットでは二人の心を失った恐ろしさなどに触れているものがあったけど、個人的にはそんなことはないと思う。
私的なその後は雪穂も命を絶ってしまうのではないか?とおもう。

一人で暗闇の中を歩いていけるほど強くないと思うからだ。
先述したが読者の想像でいかようにでも印象が変わる本作品。
読後の一種異様な感じは本当に特殊な作品なんだと思う。
読んでない方はぜひ一読を・・!

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